発達障害ってギフテッドなん?

障害は「個性」なんてクソくらえ。どうも、ゆあ@発達サバイバーです。今回は、すごい人には発達障害が多いけど、発達障害民がみんなすごいわけではないで。必要条件と十分条件って知ってる?というお話です。
偉人は発達障害者が多い?

まずはじめに発達障害とは、脳機能の発達に偏り(凹凸)が見られる障害のこと。簡単にいうと、ものすごーーーーーーく得意なこと(凸)もあれば、ものすごーーーーーく苦手なこともある(凹)状態です。さらにこの偏りにより、社会生活に困難が生じている人のことを発達障害者といいます。
歴史的偉人には、実は発達障害だったのではないかといわれている人が多いです。例えば
- レオナルド・ダ・ヴィンチ
- トーマス・エジソン
- アルバート・アインシュタイン
- モーツァルト
- ゴッホ
- 坂本龍馬
- 織田信長 など
そうそうたる顔ぶれですね。近年では、スティーブ・ジョブズやイーロン・マスクも発達障害ではないかと囁かれています。こんなすごい人たちが発達障害?そんなわけないだろと思う人もいるかもしれません。
なぜこの方々が発達障害と言われているかというと、人並外れた超人的な才能(凸)があるとともに、それ以外の部分では苦労していたり、変わっていたりする部分(凹)があるからです。この凹凸の激しさが、発達障害を疑われる所以です。
発達障害とギフテッドの関係とは?

一方、「ギフテッド」とは、生まれながらに人並み外れた超人的な能力を持つ人をいいます。
先に挙げた偉人たちは、ギフテッドとも言わています。IQ190以上とされるアインシュタイン、芸術・科学・建築など多方面で非凡な才能を発揮したダ・ヴィンチなどなど、これには納得でしょう。
前提として、ギフテッドと発達障害は異なる概念です。とはいえ両者には共通点が多く、捉え方によってはギフテッドとも発達障害ともなります。
例えば発達障害の1つであるASDの特性「過集中」によって、研究や勉強に没頭し、人並外れた知識力を発揮できる場合があります。ADHDの特性「ひらめき・直感力」によって、これまで誰も想像し得なかったイノベーションを生み出せる可能性があります。
発達障害=ギフテッドなのか?

この答えはNoです。発達障害=ギフテッドではありません。
ギフテッドはあくまでも特異な能力(凸)を持つ人のことであり、発達障害は偏った特性(凹凸)により人生ハードモードな人のことです。
雑にいってしまえば、ギフテッドはプラスの特性のみを指し、発達障害はどちらかというとマイナスの特性にフォーカスしたものです。
もちろん誰しも良い面もあれば、悪い面もあります。特に優れた能力のある人は、自然の摂理でしょうか、神が人々の均衡を保とうとしているのでしょうか、反対に同じくらい残念な面もあったりします。
なので、人並外れた才能を持つ人は反対にドン引きするくらい残念な部分がある、これが歴史的偉人がギフテッドとも発達障害とも言われる理由です。
じゃあやっぱり発達障害=ギフテッドなのでは?

何度も言いますが、この答えはNoです。
たしかに、普通は、誰しも良い面もあれば悪い面もあります。普通は。
しかし、「普通になれない」ことで苦労されている発達障害のみなさんは、そろそろこの世に神なんていないとお気づきなのではないでしょうか。
世の中には、イケメンで頭も性格も良し、おまけに実家が図太いスーパーラッキーボーイもいれば、どこをとっても残念な生まれた瞬間借金持ちみたいな人もいます。
そう、人生イージーモードのギフテッドもいれば、生まれた瞬間から人生難易度MAX鬼レベル確定演出の純度100%の発達障害もいるわけです。
しかしながら、ギフテッドであれば発達障害である確率は(私調べでは)高いと考えられます。人並み外れた能力は調和をとるのが難しく、どこかで不具合が生じるためです。
反対に、発達障害ならばギフテッドである確率は限りなく低いでしょう。近年、発達障害者の数は増えていると言われていますが、ギフテッドと言われている人なんて、どの時代においても片手で数えるくらいしかいません。
なので、ギフテッド→発達障害は大いにあり得ますが、発達障害→ギフテッドはほとんど成り立ちません。これの意味がわからないと言う人は、小学校の国語か、数学の命題あたりをやり直してきてください。
というかそもそも、ギフテッドの場合はまずその優れた才能に注目されるので、発達障害であったとしてもそんなものは二の次です。他者から何よりもまず発達障害を指摘されている時点で、「自分(ウチの子)はギフテッドかもしれない」なんて淡い期待は捨てましょう。(もちろん先天的ではないだけで、後天的に天才になることは可能です。ギフテッドではないからといって、夢を諦める必要はありません)
発達をマシにしたいなら現実を見ろ

「偉人には発達障害が多かった」という説は、発達障害民としては誇らしいです。
しかしなかには、偉人と自分を混同して勘違い発言を連発してしまう残念発達さんや、「ウチの子はギフテッド」と思い込むことで現実から目を逸らす残念毒親さんがまれに観測されます。
そこで厳しいことを言いますが、一般的な発達障害の多くは、特殊能力どころか凸の部分でさえ人並みにできたら上出来の方、凹に至っては目も当てられないというケースがほとんどです。
辛いかもしれませんが、ここから目を背けては成長は望めません。
発達障害の症状を少しでもマシにしたいなら、まずこの現実を受け入れることが重要です。なかなか直視するのは難しいかもしれませんが、一度受け入れてしまえば人生を歩むのが上手になります。
現実が見られない1つの原因として、無駄なプライドがあります。発達障害民は自己肯定感が低いのにプライドが高い人が多いです。これは、これまで生きてきた中で、理由もわからず虐げられてきたことから身を守るための防衛本能でしょう。
ここで私が「自分がギフテッドとか勘違いすんなよ!」と言っているのは、発達障害民の自己肯定感をさらに下げようとしているわけではありません。無駄なプライドを捨てましょうということです。
無駄なプライドを捨てれば、「自分ができないこと」を客観的に認識できるようになり、「自分に何が足りていないのか」に気づくことができます。そして「本当の自分」を認めることで、削ぎ落とされた自己肯定感も回復してきます。まずは正しく自分自身と世の中を理解するのが発達障害をマシにする第一歩です。