発達障害とは?種類・特性を当事者がわかりやすく解説していく〜!

発達の種類

発達障害とは、脳機能の発達の偏りにより社会生活に困難が生じる障害のこと。大きく分けてADHD・ASD・SLDの3種類あります。…といわれてもよくわからん!という人のために、今回は発達障害当事者の私がどこよりも楽しくわかりやすく解説します!発達障害当事者、そのご家族、発達障害の扱いに悩む周囲の方々はぜひチェックしてください。

まず発達障害とはなんやねん

普通の枠組み

まず発達障害とは、生まれつき脳機能の発達に偏りがある障害のこと。そしてそれによって社会生活に困難が発生している人を「発達障害者」といいます。

脳機能の発達の偏りとは、簡単にいえば、得意なこと(+の特性)もあれば、苦手なこと(−の特性)もあるということです。「そんなん全員そうやろがーーーーい!」と言われたらそうなのですが、この差が常人よりも非常に激しいがゆえに、周りの人に迷惑をかけてしまったり、誤解されてしまったりとなかなかハードモードな人生を強いられることとなります。

じゃあ何が大変なのかというと、人によって特性も環境も違うので、困っていることは人それぞれです。正直、発達自身もよくわかってないことが多いでしょう。目に見えない症状なうえ、症状はバラバラ、その深刻さもバラバラなので、理解しろという方が無理があるってもんです。

ここからは私見ですが、発達障害とはつまるところ「定型発達(健常者)ではない人」を、とりあえずそう呼んでいる感じでしょう。「発達障害」という括りがあるわけではなく、どちらかというと「普通」という円があって、その円から外れた人を発達障害と呼ぶことにしました!(byどっかの偉い人)って感じなので、まとめようがないっていうのが実情です。こういうと語弊を生むかもしれませんが、すごく簡単に雑にいうと結局は「普通じゃない人」となってしまいます。

発達障害の種類①ADHD

ぼんおどりをする人たち

といっても、似たような特性の人をまとめて大きく3種類に分けられています。一番有名なのがADHDです。なぜ発達障害の中で一番有名なのかというと、一番目立ちやすい特性だからでしょうね。

ADHD(注意欠如多動症)とは、注意力・集中力に欠けていたり、じっと大人しくしているのが苦手だったりするタイプです。「怠け者」「わがまま」とか思われてしまうのはこの種類の場合が多いです。「約束を守らない」とかもこのタイプでしょう。主な症状には以下のようなものがあります。

・細かなミスが多い
・忘れ物や失くし物が多い
・掃除や整理整頓が苦手
・じっと座っているのが苦手
・貧乏ゆすりが多い
・後先考えずに行動する
・感情を抑えるのが苦手
・1つのタスクに集中するのが苦手(よそ見が多い) 

などなど。定型発達の人には理解しづらく、でもADHDで一番大変なのは「脳内多動」ではないかと思います。私は一度発達症状を抑える薬を飲んだことがあるのでわかるのですが、発達障害の頭の中は非常にうるさいです。アレもコレも、常に考えが浮かんでは消えていきます。薬を飲んだりしたことがないADHDは、生まれつきのデフォルトが脳内多動状態なので気づいてないでしょうが、これは本当に異常です。常にエンジン(脳)がフル回転状態でオーバーヒート一歩手前になっていると思った方が良いでしょう。

定型発達の頭の中(薬を飲んだ時の状態なので本当に定型発達がそうなのかはわかりませんが)は非常に静かです。それぞれの頭の中を一言で表すなら、ADHDは「祭」、定型発達は「凪」ってくらい違います。そしてこの年中脳内お祭り状態が、不注意や多動を引き起こしてしまうのだとするのが私の推論です。

とはいえ、この脳内多動のおかげで常人には思いつかないアイディアを思いついたりするので、悪いことばかりではありません。なのでアーティストとかにはADHDが多いですね。社会性がなくても良くて、奇想天外なアイディアで人を楽しませるまさに転職といえます。(ただしそんな優れたアイディアを思いつける人はまれで、だいたい社会性がないだけの場合が多いので困ってるんですけどね…)

発達障害の種類②ASD

暗い部屋で膝をかかえる登校拒否の男の子

ADHDの次によく聞くのがASDでしょう。ASD(自閉スペクトラム症)は、主にコミュニケーションに難が生じるタイプです。かつては「自閉症」「アスペルガー症候群」「広汎性発達障害」などと分かれていましたが、「自閉症スペクトラム症」に統一されました。

発達障害はどれか1つの種類だけではなくて、さまざまな特性を併発していることが多く、わたしはこのASD(広汎性発達障害)がメインのADHD併発型です。なのでこのASDについては物申したいことがたくさんあるのですが、まずかつて3つあったものを「自閉症スペクトラム症」に統一した、というのは無理がありますね。当事者からすると

ゆあ

なに勝手に統一してくれとんねん

という感じです。

なぜなら、「自閉症」「アスペルガー症候群」「広汎性発達障害」はそれぞれ症状がまったく異なります。「アスペルガー症候群」と「広汎性発達障害」は真逆といってもいいんじゃないですかね。

ただ、周囲の人からすると同じに見えるかもしれません。ASDのよくある症状といわれているのが以下です。

・マイペースでグループ活動が苦手
・気が利かない・空気が読めない
・自分の意見をいうのが苦手
・白黒思考が激しい
・マルチタスクが苦手
・臨機応変が苦手

などなど。たしかに、周囲の人から見ると「アスペルガー症候群」も「広汎性発達障害」も、このように見えるでしょう。なので定型発達の人からすると、まとめたくなる気持ちは理解できます。でも、そこに行き着く過程は全く異なるんですよね。これは長くなるのでASD回を設けて別に語りたいと思います。

とりあえずざっくりいうと「コミュニケーション難あり」がASDと思って差し支えないでしょう。ADHDの場合だと、ともすれば「だらしないけどなんか憎めないんだよな」ポジションとなりそれなりに人生上手くいくパターンもありますが、ASDはどうあがいても対人関係が下手くそなので、よほど天才的な頭脳や太い実家などがない限りはほとんど人生詰みです。はい。そんなASDでもなんとかするコツはこのサイトで語っていくのでぜひチェックしてください。

発達障害の種類③SLD

勉強が苦手な男の子

最後はSLD(限局性学習症)です。これはかつてLD(学習障害)と呼ばれていたタイプで、これなら聞いたことがある人もいるんじゃないでしょうか。

これは「読み」「書き」「算数」などの特定の分野において、大きな困難があるタイプです。主な症状には以下のようなものがあります。

・文字を読むのが遅い
・誤字や脱字が多い
・計算が遅い、数の概念を理解できない
・聞こえてきたことを理解するのが苦手

などなど。これは知的障害とは違い、知的な遅れはないけど「その分野だけ」苦手というものです。

私はこの分野でとくに悩んだことがないので診断は受けてないのですが、言われてみれば「耳で聞いたことを理解する(聴覚理解)」は苦手かもしれません。これは耳が悪いのとは違って、「聞こえてはいるけど聞こえてきたことを処理できない(何言ってるのかわからない)」という感じです。

例えば私の場合、映画とかは日本の作品でも日本語字幕つけてみたりします。映画はBGMと会話の音量差がバグってるものが多いので普通の人でもそういう人もいるかもしれませんけど…

発達障害を乗りこなすには特性を理解することが最重要!

輪になっててをつなぐ老若男女

ということで、発達障害にはさまざまな種類があり、さらに同じ種類のなかでもさまざまな症状があることをご理解いただけたかと思います。なので、一言で「発達障害にはこうすればいいよ!」とは言えないんですね。なんなら同じ症状・同じ重症度であっても、環境によっては気にならなかったり、致命的だったりします。そのため発達障害の対策を立てるには、まずは「どのタイプにあてはまるのか」を見極めることから始めましょう。